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市民の健康を守る! 化学物質による被害を減らすために予防的な取り組みを

化学物質過敏症の方は、全国で100万人、予備軍を含めるともっといると言われています。発生源は多様であり、症状も多様なことから、この問題について本市としても認識・理解を深めていくことが必要です。12月議会で保健福祉局に質問をしたところ、化学物質過敏症と診断される患者が福岡市内にどのくらいいるのか、実態調査を行ったことはなく相談できる医療施設もないとの答弁でした。

化学物質に反応している子どもたちは、工事の際に学校を休む、工期が長期にわたる場合は転校を余儀なくされることが実際にあります。ここ数年で行われた学校の耐震工事やクーラー設置工事でも、保護者の方々から相談を受けました。今年度も学校のトイレ改造工事が16校で予定されていますが、工事は3ヶ月ないし4ヶ月の工期を要し、子どもたちが学校にいる時間にも行われます。これまでの市の対応では不十分であり、化学物質に曝露してしまう児童生徒を生み出さないための対策が必要です。

市は今後の対策について「学校および教育委員会関係各課が、化学物質過敏症の児童生徒の情報共有を徹底する。工事の実施にあたり、施工業者を含め関係者全員の連携協議を密にし、化学物質の飛散防止の徹底など、安全対策を強化する。併せて、対象の児童生徒の保護者とは、使用材料や施工方法、工期・工程等について十分に情報を共有し、児童生徒の健康や安全の確保に努めていく」とのことでしたが、実際には、工事現場との共有が意識の違いでなかなか行き届かないことがあります。『健康的な学習環境を維持管理するために‐学校における化学物質による健康障害に関する参考資料‐』を平成24年に文部科学省が作っており、先生自身の健康のためにも、これをすべての教職員に熟読していただくことをお願いしました。また、準備や対応が行き届くように工事のことを早い段階で保護者に伝えるよう求めました。

加えて、子宮頸がん予防ワクチンの副反応の問題や「エコチル調査」(環境省が進めている子どもの健康と環境に関する全国調査)のことを取り上げ、分析結果をじっと待っていては手遅れなので、予防できることはいち早く進めること、部局を超えた取り組みで相談体制や医療機関のさらなる充実を図り、市民にも広く化学物質に対する認識を深め、注意喚起や予防対策をしっかりと図っていくことを求めました。

この地球上で他の生物たちと共存するために、ヒトは重大な責任があるとの自覚を持たなければいけないと思います。未来を担う子どもたちのために、福岡市でも総力を挙げて取り組んでいく必要があります。

(森あや子)

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予算35億円!人工島ではなく、生活困窮者のための住宅支援に!

住宅は福祉の原点です。良質で安価な住宅の提供は、生活を豊かにします。

市営住宅の応募倍率は12.8倍(平成27年度)で、近年は低下傾向にあると市は言っています。しかし、高齢者や身体障がい者の単身世帯を対象とした市営住宅の応募倍率については39.3倍(同年)ということを考えても、公営住宅は決して十分とは言えません。

市は住宅事業者や社会福祉協議会とともに「居住支援協議会」をつくり、民間賃貸住宅を活用した住宅困窮者の入居促進をはかっています。しかし、福岡市でも世帯収入が300万円以下の世帯が増えており、市は「良質な住宅の提供について調査・検討する」と計画していますが、具体的な目標設定はありません。もっと具体的な施策が必要です。

また、『若者の住宅問題』という調査報告によると、若者は親との同居が多く、その大きな理由に所得が低く住宅費が負担となっていることが挙げられています。そのため自立ができず、結婚もできないという状況を生み出しており、これは社会にとって深刻な問題です。しかし福岡市の計画では若者の住宅問題は課題とされていません。私は公営住宅に単身の若者の入居も認めるべきだと考えます。

一方で市は人工島に対して住宅都市局だけでも5年間で約35億円もの予算をつけています。私はこれらの予算を生活困窮者向けの住宅の建設や入居の助成などに使うべきだと主張しました。

(荒木龍昇)

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「グローバル創業・雇用創出特区」推進に関する条例案に反対しました。

成長性の高い国内外の企業の集積を図り、経済を活性化させ雇用の創出と税源の涵養を図ることを目的として、特区に指定された企業に、設立後5年間、法人市民税を減税するという議案でした。対象となる事業は「医療」「国際」「農業」「一定のIoT」「先進的なIT」のいずれかの分野で革新性を持った事業とされています。

しかしすでに国は法人所得の20%を控除するとしており、また企業は赤字であれば繰り越し欠損処理を9年間でき、今回の減税が魅力ある制度とは考えられません。また、市独自要件として「福岡市民1名以上の常用雇用」を設定していますが、これで正規雇用が増えるとは思えません。雇用も税源の涵養も十分な成果が期待できず、反対しました。

※法人税を減税してもその半分は株主配当にいき、残りの大部分は内部留保に回ります。法人税減税で経済が活性化することはありません。経済を活性化し税源の涵養を図るためには、イノベーションを起こせるような環境整備、「需要の喚起」が重要であり、公契約条例制定による所得保障や、正規雇用を増やして市民所得を上げる政策を採るべきと考えます。

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795万円! お手盛り、議員の期末手当

「補正予算案に含まれている議員の期末手当795万円の減額」と「議員報酬のあり方について市民に開かれた形で検討する場を設けること」を求める市民団体からの請願について、12月21日に第一委員会で審査が行われました。緑とネットはこの請願の紹介議員となり、「減額すべき」「市民に開かれた議論をすべき」と意見を述べましたが、前者は「不採択」、後者は「(非公開の)代表者会議で協議中だから、その結論を待ってから第一委員会で審議する」となりました。議員報酬について市民に開かれた形での議論が必要です。

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人の暮らしと自然との調和を(第5委員会視察報告)

11月28日に天ヶ瀬ダム(京都府宇治市)と、その上流に位置する瀬田川洗堰(滋賀県大津市)を視察しました。琵琶湖からの水は瀬田川から宇治川、そして淀川を流れ大阪湾に注ぎます。

天ヶ瀬ダムでは「洪水調整機能の強化」「水道用水の確保」「電力能力の増強」を目的としたトンネル式放流施設建設(放流能力の増強)現場を視察しました。台風や大雨での洪水被害に対応した増強だそうですが、近年の雨の被害は想定を超えるものなので、自然災害と開発のイタチごっことならないかと懸念されます。自然環境に負荷をかけない解決方法はないのかと考えさせられます。

瀬田川洗堰はその上流にあります。1986年に大洪水が起こり、河川法が制定され、日本で初めて近代土木技術を導入した本格的な治水対策が行われました。しかし瀬田川の流れが良くなると、下流では洪水を起こしやすくなり、また雨が降らない時期が続くと琵琶湖の水が少なくなり水不足に悩まされるようになりました。これを解決するため1905年に南郷洗堰(旧洗堰)が完成。1961年には現在の洗堰が完成し、1992年にはバイパス水路も完成しています。淀川の流量と琵琶湖の水位に対応して洗堰を操作。生物の生息にも配慮した操作をされているそうです。

琵琶湖は約400万年前に誕生したとされています。人のいのちの水であるだけでなく、多様な動植物が生息・生育している琵琶湖には、毎年、ヒシクイ、コハクチョウ、カモ類などが6万羽以上飛来しており、全国的に見ても名高い渡り鳥の越冬地ともなっていて、鳥獣保護区に指定され、平成5年にラムサール条約登録湿地に指定されています。本市にも希少生物が生息する和白干潟や今津干潟があります。150万人を超える都市だからこそ、積極的に守る必要があります。視察を通じて学んだ他都市の工夫や理念などを本市の政策にも生かしていきます。

(森あや子)

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