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人の暮らしと自然との調和を(第5委員会視察報告)

11月28日に天ヶ瀬ダム(京都府宇治市)と、その上流に位置する瀬田川洗堰(滋賀県大津市)を視察しました。琵琶湖からの水は瀬田川から宇治川、そして淀川を流れ大阪湾に注ぎます。

天ヶ瀬ダムでは「洪水調整機能の強化」「水道用水の確保」「電力能力の増強」を目的としたトンネル式放流施設建設(放流能力の増強)現場を視察しました。台風や大雨での洪水被害に対応した増強だそうですが、近年の雨の被害は想定を超えるものなので、自然災害と開発のイタチごっことならないかと懸念されます。自然環境に負荷をかけない解決方法はないのかと考えさせられます。

瀬田川洗堰はその上流にあります。1986年に大洪水が起こり、河川法が制定され、日本で初めて近代土木技術を導入した本格的な治水対策が行われました。しかし瀬田川の流れが良くなると、下流では洪水を起こしやすくなり、また雨が降らない時期が続くと琵琶湖の水が少なくなり水不足に悩まされるようになりました。これを解決するため1905年に南郷洗堰(旧洗堰)が完成。1961年には現在の洗堰が完成し、1992年にはバイパス水路も完成しています。淀川の流量と琵琶湖の水位に対応して洗堰を操作。生物の生息にも配慮した操作をされているそうです。

琵琶湖は約400万年前に誕生したとされています。人のいのちの水であるだけでなく、多様な動植物が生息・生育している琵琶湖には、毎年、ヒシクイ、コハクチョウ、カモ類などが6万羽以上飛来しており、全国的に見ても名高い渡り鳥の越冬地ともなっていて、鳥獣保護区に指定され、平成5年にラムサール条約登録湿地に指定されています。本市にも希少生物が生息する和白干潟や今津干潟があります。150万人を超える都市だからこそ、積極的に守る必要があります。視察を通じて学んだ他都市の工夫や理念などを本市の政策にも生かしていきます。

(森あや子)

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