人工知能(AI)搭載のカメラを設置し通行者のマスク着用の有無を分析する実証実験が、天神南駅で始まりました。監視社会への道につながる実験を十分な議論もなく行うことに反対し撤去を求めました。
2021年2月10日
福岡市長 高島宗一郎様
緑と市民ネットワークの会
荒木龍昇
森あやこ
地下鉄天神南駅におけるAI 搭載カメラによる監視をやめカメラを撤去することを求める
福岡市実証実験フルサポート事業実証実験プロジェクトとして、九州電力と株式会社オプティムが、昨年12月9日から28日までに東区「並木スクエア」において、今年2月8日から27日まで地下鉄天神南駅に、人工知能(AI)搭載のカメラを設置し、通行者がマスクをつけているかを検知し、マスクをつけるよう呼びかける音声を流す実証実験をしています。新型コロナウイル対策に資する可能性があるとしていますが、これは「マスク警察」「自粛警察」と同じ発想であり、マスク着用ができない人や着用したくない人の人権を侵害するものです。感染症に罹患することが「犯罪者」のごとく受け止める社会的同調圧力を強め、全体主義的社会を醸成することにつながり問題です。
実証実験と称していますが、このようなカメラの使用は中国の監視社会で使われているものと同じものです。顔認証技術とAI技術の連携による監視社会への道といえます。いま、AI技術と顔認証技術と個人情報を結びつけることで瞬時にして個人の行動とあらゆる情報を把握し類型化が行われ、理由無き差別を醸成し、不透明な管理・規制し、個人の尊厳を冒すことが問題となっています。アメリカでは監視カメラの映像をAIでプロファイリングすることが黒人差別を醸成するとして、2019年以降、カリフォルニア州のサンフランシスコなどで条例を制定し顔認証技術の使用を禁ずる動きが広がっています
AI技術の利便性だけに目を向け、議会や市民において十分に議論がないままこのような実証実験および監視カメラを設置することは看過できません。私たちは、直ちに実証事件を中止し、監視カメラの撤去を求めます。