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2015年度決算 ~私たちの生活は、良くなっているか?~

市民一人あたりの借金は158万円、福岡市の2兆3800億円の借金は、財政健全化が進み少しずつ減っていますが、PFI事業などによって、将来にわたって負担し続けることになる「債務負担行為」は増えています(※1)。

市税収や固定資産税は増えているものの、歳入全体はそこまで伸びていません。市税などの徴収率の向上や行財政改革の取り組み(※2)によって、2013年からの4年間で490億円の財源を確保する見通しですが、それは本当に私たち市民の「生活の質の向上」に繋がっているでしょうか?

髙島市長はその財源の多くを「都市の成長」のために使い、破綻が明らかな人工島に多額の税金を投資し続けています(※3)。しかし福岡市が基本計画に揚げる「「生活の質の向上」と「都市の成長」の好循環」は、実際には起こっていません。

 

※1 PFI事業はリースやローンに例えられます。一括払いよりもリースやローンのほうが負担の総額が多くなります。

※2 行財政改革として「市立幼稚園の全園廃止」「生活保護世帯の下水道料金減免の廃止」「図書館等駐車場の有料化」など113項目にわたって事業の見直し・廃止を行っています。

※3 人工島へ「住宅市街地総合整備事業(約234億円(市が半額負担))」「立地交付金(約240億円(市が全額負担))」「中央公園整備費(約192億円)」「こども病院用地(約45億円)」「青果市場整備費(約363億円)」「総合体育館用地(約48億円)」などを投資。今後も道路や上下水道の整備、野鳥公園整備があり、毎年100億円程度が使われる予定です。髙島市長の5年間で、住宅市街地総合整備事業の83.6%、立地交付金の73.7%が人工島に投じられています。

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決算特別委:決算に関する意見開陳(荒木議員)

2014年度は、安倍政権が前年(2013年)12月に特定秘密保護法を強行採決、7月1日に集団的自衛権を行使するための閣議決定を行い、武器輸出三原則を廃止し、戦争する国へ着々と準備した年でした。

同時に国民の目をそらさせる経済政策としてアベノミクスの三本の矢が華々しく打ち出され、また2013年12月には、4月からの消費税8%への増税の景気対策として5兆円のバラマキ補正予算が組まれ、多くは2014年に繰り越されました。しかし、アベノミクスの恩恵を受けたのは一部の輸出関連企業で国民の所得は伸びず、実質賃金は下がり続けました。輸出関連企業の収益増の多くは日銀の金融緩和策の円安による為替差益でした。輸出はそれほど伸びず貿易赤字が続き、海外へ工場を移転させた造業が復活する状況ではありません。アベノミクスの経済政策は破綻が明らかになっていますが、経済競争力会議が進めてきた労働者使い捨ての政策は今年9月に派遣労働法が改悪され、TPPの大筋合意、そしてアメリカのような1%の富裕者のための国へとさらに近づきつつあります。

福岡市でも、「生活の質の向上と都市の成長の好循環」というスローガンを掲げ、安倍政権に呼応して国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」、いわゆる「解雇特区」に応募し、指定を受けました。経済成長すればやがて市民にもそのおこぼれが回り生活がよくなるというトリクルダウンの理論はこの福岡市でも破綻していることは明らかです。高島市長は国内外から企業誘致を進めていますが、雇用が増えても非正規労働者が増え、貧困と格差は広がっています。

いま喫緊の課題は貧困と格差が広がっていることに対する政策です。とりわけ子どもの貧困状況は、厚生労働省が2014年7月にまとめた「国民生活基礎調査」によると、「相対的貧困率」は16.1%、これらの世帯で暮らす18歳未満の子どもを対象にした「子どもの貧困率」も16.3%、ともに過去最悪を更新しています。デフレで所得が伸びず、とりわけ母子家庭の50%以上が貧困状態となっています。地方自治体の本旨は住民の福祉の増進を図ることです。

2014年度においても、福岡市は立地交付金を増額して企業誘致を進め、破綻が明らかな人工島に100億円以上もの税金をつぎ込んでいます。また、水が余っているにもかかわらず五ヶ山ダムを建設、ゴミ減量が進んでいるにもかかわらず焼却場の見直しやクリーンエナジーの見直しはしていません。さらに、わずか数分しか短縮効果がない不要不急の人工島への接続道路の建設計画、ウォーターフロント開発を進めるなど、ムダな公共事業を見直そうとはしていません。

他方、いじめと貧困対策に求められているスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、司書、教職員などの増員には取り組んでいません。また、高齢化が進む中で年金の切り下げや消費税値上げ、国民健康保険や介護保険も市民にとって大きな負担となっているにもかかわらず、黒字でも負担軽減をしようとしていません。このような市民不在の市政には賛同することはできません。

福岡市が持続可能な市政にするためには、市民が住みやすい街、暮らしやすい街として実感できることが重要です。市政の転換を求めて意見開陳を終わります。

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決算特別委:無計画な施設整備にストップ!市民参画による計画的整備を(荒木議員)

超高齢化社会を迎え人口減少社会になった今日、全国の自治体は厳しい財政状況下で住民福祉をどのように実現するか問われています。中でも、公共施設や道路、上下水道など都市基盤施設の維持管理および建て替え費用を如何に抑制するかが大きな課題となっています。

先進的な自治体では公共施設の状況をさまざまな角度から調査した「公共施設白書」をつくり、施設の長寿命化を図るとともに、将来の費用を見積もり、財源の確保をして、計画的に予算を執行しようとしています。

例えば名古屋市では、長寿命化だけでは財政的に限界があるとの認識から、公共施設の「総量削減」を進めています。具体的には、施設の「量」よりも「機能」を重視し、人口動態や利用状況をもとに、施設の建て替え時には施設の複合化や、類似施設の集約、将来の利用転用ができるようにスケルトン建築にするなどの計画をしています。さらに40年間で公共施設を10%削減するとして、新たな施設はつくらない、改築・改修の場合は面積を削減するとしています。

また志木市のように、施設複合化による削減で市民の生活の質を下げないようにするため、計画段階から市民参加で施設建設を進めている自治体もあります。

福岡市においては、2008年にアセットマネージメント基本方針を作り、現在第2次実行計画を実施しています。しかし福岡市の大きな問題は、第二展示場建設や人工島への接続道路建設など政策的なものを計画に入れておらず、このままでは将来世代に負担を残すことになります。福岡市はこれ以上、無計画に施設整備を進めるべきではありません。

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決算特別委:市民のいのちと安全を守るための施策を!(森議員)

来年度以降に向けて以下の取り組みを要望しました。

○原子力災害への対策を!
・福祉施設、高齢者施設、要援護者の避難計画、策定の推進を!
・事故時に必要となる、安定ヨウ素剤について
-集中備蓄ではなく、学校など子どもたちのいる施設での備蓄を!
-50km圏外の市民の分も備蓄を!
-アレルギー反応や妊婦への服用の注意喚起をすべき!
・市内全域で原子力災害防災訓練の実施を!
・原発に頼らない持続可能な社会への転換を!

○学校給食の安全確保を!
・アレルゲンの混入に細心の注意を!
・食品の放射能汚染(2011年にセシウム汚染牛使用問題があった)や遺伝子組み換えの混入に細心の注意を!
・民間委託に伴って安全面など質の低下につながらないように!(2014年度委託校1校で合成洗剤が使用されていた。)
・保護者と事業者調理員や栄養士との面談の場を!

○アレルギー疾患の対応を!
・幼稚園や学校の現場での教職員研修の充実を!
・救急対応時の救急搬送シミュレーションを!

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