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議会報告ニュース1号のデータをアップしました。

昨日入稿した「議会報告ニュース1号(2015年夏号)」のデータをアップしました。

ぜひ「議会報告ニュース」のページをご覧ください。

議会報告ニュース1号 p1(共通)

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森議員の一般質問:不登校と読書環境の充実について

150624森あや子議員一般質問1

※森あや子議員による一般質問の原稿です。実際の発言とは多少異なりますので、ご了承ください。

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●1問目

おはようございます。「緑と市民ネットワークの会」森あや子でございます。今回は、不登校と読書環境の充実について質問をいたします。

現代社会は、少子高齢化が進み人口減少が深刻な課題となっています。核家族化、人間関係の希薄さなど、生活をする中で不安に感じることがたくさんあります。子ども達を取り巻く状況は、遊び場の減少や引きこもり問題等々、そして虐待やいじめなどの悲しい事件は後を絶ちません。また、病弱だったり、障がいがあったりするなど一人ひとりが抱える課題も増えていて、さらに経済格差も広がり、本市でも就学援助を受けている子どもは4人に1人となっています。このような現代社会の中で、子ども達は生き難さを感じています。

私の次男は食物アレルギーお弁当持参、喘息で入院等もしてしまい、小学4年生から中学3年生まで不登校を経験しております。不登校そのものや不登校から発生する様々な課題は、決して我が家だけの問題ではありません。悩み、苦悩を抱える本人や家族は今や相当数に上っています。友達と思いっきり遊び学び、経験を積み重ねる大切な時期の義務教育という間を、まだ人生経験の浅い子ども達が苦しい思いを胸に抱えて過ごしているのです。

そこで、まず不登校についてお伺いします。本市の不登校児童生徒の現状を、過去3年の小学校、中学校別でお示しください。更に、本市の不登校児童生徒数の出し方をお示しください。

次に、読書環境の充実についてお伺いします。

私は、以前本市で開講されていた子育て支援ボランティア養成講座を受講し、子ども達がもっといきいきと過ごせる環境を準備したいと強く思いました。そして、校区の小学校では、先生や保護者の協力のもとに、読み聞かせボランティアを立ち上げました。子ども達がホッとできる居場所や時間がもてるよう、そして子ども達がより情緒豊かに育って欲しいとの思いで、朝や昼休みの読み聞かせ、季節に合わせた遊びの活動、また授業の中でも様々な企画を取り入れていただくなど、子ども達の読書推進への支援活動を実践してまいりました。その経験から、読み聞かせや読書の素晴らしい魅力などを実感しています。本市の小・中学校でも、読み聞かせ活動が活発に行われているところはたくさんあります。

しかし、子ども達の教育を保障する図書館機能としての整備は、本市ではまだまだ足りていないところがたくさんあると感じます。

そこで、学校図書館の読書環境についてのお尋ねです。子ども達の一番身近にある学校図書館は、一人ひとりの子どもの豊かな育ちと学びを支援する教育の場です。読書環境の充実は、先に質問した不登校で苦しむ児童生徒を生み出さない、深刻化させないといった課題解決にもつながることだと思います。

今年度4月1日から学校図書館法の一部改訂されたものが施行されています。法文には学校司書の職名とともに配置の努力義務が記されています。また、2012年度予算で閣議決定された「学校図書館整備5か年計画」では、全国全ての小・中学校と特別支援学校に新聞1紙を置く費用が盛り込まれるなど、蔵書を新たに購入する費用などに年200億円が計上される他、図書室の業務を専門とする司書を新たに小・中学校に置く費用150億円が計上されています。

福岡県公共図書館協議会の調査では、平成24年度資料費に対する一人当たりの予算額が、本市は政令市の中で下から3番目のたったの69円です。ちなみに北九州市は151円です。特に子ども達への教育はどこに住んでいてもしっかりと支えられることが重要です。

そこで、まず読書の大切さについてのご所見をお示しいただき、本市においての学校図書館に関わる人員配置や働き方などをお示しください。

以上で、2問目以降は自席にて行います。

 

●2問目

不登校児童生徒数の表わし方で、子ども達の実態が見えなくなっています。例えば毎日5分でも学校に行けば登校したことになります。また、家庭の事情で出席できないものや欠席理由が2つ以上で主たる理由が特定できないものは不登校として元々数には足されてはいません。卒業しても困難な状況にいる子ども達も少なくありません。不登校の人数が減ったと見えても、一人ひとりへの大切な学習保障や心のケアは行き届いていないのが現状です。様々な状況にある全ての子どもに対し、社会全体で援助するために、学校内外の連携を図り相談体制の充実や学習の遅れなどを取り戻す機会とその方法にも柔軟さがある対応が、普段から求められます。不登校で悩む児童生徒が生まれない教育現場になるよう、教職員の研修や様々な専門知識を持った人材を増員するなど、まだ取り組まなければならないことがたくさんあると考えます。

そこで、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、不登校対応教員のそれぞれについての配置や働き方などお示しいただき、本市の取り組み内容についてお尋ねいたします。

次に、読書は、国としてもその効果や重要さ、子どもたちの育ちや学びを支えるものとして必要性があるからこその法的整備や費用計上です。小・中学校の数が、本市は200校を超えている中、その要となる学校司書の配置や時間数が、これでは全然足らない状況です。司書教諭もクラス担任をしていれば学校全体の読書環境の充実には、なかなか手が行き届きません。そして、もう一つの課題として公共図書館との連携があります。

先進的な岡山市の読書環境への取り組みは、学校司書が全校に配置され、学校図書館が常に開かれた場所になっています。市立図書館との連携も図られ、クラスの子どもの人数分の本を揃えることが容易にできます。また、社会科や理科、保健体育やこれから重要になってくる道徳、生活科などの授業では、学校司書と教師の連携で、子ども達の学年や興味にマッチした教材としての本を選ぶなど、子どもの興味を引き出し、調べ学習の手助けになっています。学校司書がいることで地域ボランティアとの連携も図れます。

岡山市のように、未来を担う子ども達を社会の大切な宝としてすこやかに育むために、学校図書館には専門家である学校司書がいつもいることが重要です。

教育環境整備としての図書館機能の充実を強く望みます。そこで、司書教諭と学校司書の連携、公共図書館と学校図書館との連携を本市の現状についてお尋ねします。

以上で2問目を終わります。

150624森あや子議員一派質問2

●3問目

スクールカウンセラー67人の相談件数は毎年約25000人です。本市の全児童生徒は約11万人強の中、やはりスクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも学校司書も足りないばかりか、一人が抱える仕事の質も量も過酷です。今を生きる子ども達の現状がこの体制ではとても厳しいと思っています。

人は国の財産であり、教育は人材を育成する国としての仕事です。教育の成果は、個人だけでなく、社会を豊かにします。人口減少が進んでいく中で、何よりも人を大切にしていかなければならないと考えます。個人の財力資力には左右されず、経済的理由で学ぶ機会や意欲を失わないよう、しっかりと社会で支える仕組みをつくっていく必要があります。教育の現場は火の車です。素晴らしい理想や理念が絵に描いた餅にならないように、専門的人員の更なる増員を強く要望いたします。

読書環境の充実は教育の現場を、子どもにとっても教職員にとってもより豊かにし、人権意識、自立心、協調性、創造力の向上にもつながり、正に生きる力が育っていくのだと思います。本の持つ力、その本の専門家である司書の力を十分に活かすことは、さらに子どもたちの健全育成に豊かな状況をもたらすことと考えますが、子ども達がおかれている現状とその解決に向けての方策をどのようにお考えになられていらっしゃるのかを教育長に、そして冒頭に述べたような厳しい社会状況の中で、子ども達が未来を担う素晴らしい人材となるための環境づくりは社会全体の責任です。福岡市の今後の発展のためにも、市全体としてしっかり育み見守って欲しいと願い、本市のトップである高島市長にご所件をお伺いして、私の質問を終わります。

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