月別アーカイブ: 2015年6月

「安全保障法案の制定を行わないよう求める意見書案」に賛成する討論

※2015年6月30日(火)に行った「集団的自衛権の行使を容認した閣議決定を撤回し、安全保障関連法案の制定を行わないよう求める意見書案」(市民クラブ/社民・市政/緑とネットが立案)に賛成する討論の原稿です。実際の発言とは多少異なりますので、ご了承ください。

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今回の戦争法は4月27日に改訂された日米安保ガイドラインを実行するための法整備であり、集団的自衛権行使をするための法整備です。自民・公明政権が新三要件が歯止めになるといっていますが、武力攻撃事態法改正での「存立危機事態」、国際平和支援法の「他に適当な手段がない」、周辺事態法改正での「必要最小限度の行使」、いずれも具体的基準は不明確であり、時の政権に判断が委ねられるという極めて危険なものです。そもそも国際平和支援法での後方支援・兵站部門は武力行使と一体のものであり、戦闘行為そのものです。現に戦闘行為がない場所での兵站部門であっても敵対国からは攻撃目標となります。また戦争法が可決すれば、重要影響事態法改正では地理的制約が外され、日米新ガイドラインに従い米軍と自衛隊が一体化し、地球の裏まで戦闘行為を行うことになります。まさに米軍と自衛隊が一体化して戦争する国になるための法案です。

これまで政府は集団的自衛権は違憲としてきましたが、安倍政権は「砂川裁判の判決」をもって集団的自衛権行使の合憲性を主張し、また1972年政府見解を根拠に合憲を主張しています。しかし、砂川事件は集団的自衛権の是非を問うた裁判ではなく、憲法9条による武力行使ができない状況下での安保条約の下での米軍基地の存在を合憲としたものです。また、1972年政府見解でも集団的自衛権を認めたものではなく、宮崎元内閣法制局長も戦争法は違憲と厳しく批判しています。衆議院憲法審査会で招聘された3人の憲法学者が違憲と断じたことをはじめ、圧倒的大多数の憲法学者は戦争法は違憲としています。また、昨日の日経新聞世論調査でも56%が違憲、合憲は22%、57%が今国会で成立させるべきでない、今国会で成立させるべきは26%、81%が説明不足、説明は十分と答えた人は僅か8%でした。この世論調査を見ても戦争法に多くの国民が反対している、また国民に支持されていないことが見えてきます。

憲法を遵守することは安倍首相をはじめ全ての公職になるものの責務です。宮崎元内閣法制局長が「黒を白と言いくるめるものだ」と厳しく批判した解釈改憲は憲法違反行為です。加えて自民党国会議員の学習会で自民党議員の「政府を批判する報道に対してして広告主を通じて規制すべし」という旨の発言、講師の百田氏の「沖縄の二紙はつぶさないといけない」という発言など、言論の自由・報道の自由を否定するこれらの発言は、民主主義を根底から覆すもので許されるものではありません。憲法を遵守しない政権と、その政権内からの言論の自由・報道の自由を否定する発言、更に教師に政治的中立的を要求するとして政治的に教育に介入し思想信条の自由も否定する動きは、まさに民主主義の危機と言えます。

先日昭和10年頃の記録映像を見ましたが、国内の賑わいの裏に自国防衛という名で侵略が始まっていた当時と、今日の状況が重なって見えました。戦争法が成立すれば、日本は戦争する国と見なされ、これまで築いてきた戦争をしない国としての国際的信頼を失うことになります。米軍と自衛隊が一体となって戦争すれば、日本は紛争国の国民の憎しみを買い、日本国民は国内外でテロの対象となり、これまで築いてきた国際的人道支援も困難になります。集団的自衛権は抑止力にならないばかりか、国民の安全を脅かすことになります。憲法を遵守し、民主主義を守り、戦争をしない国としての信頼を築くことこそ国際平和に寄与することになります。平和にこそ幸せが生まれます。戦争は悲しみと憎しみを生み、新たな紛争の火種をつくります。議員諸氏の賛同を訴えて賛成討論を終わります。

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6月議会の議案に対する討論

※2015年6月30日(火)に行った荒木龍昇議員による討論の原稿です。実際の発言とは多少異なりますので、ご了承ください。

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私は緑と市民ネットワークの会を代表し、今議会に上程されている諸議案の内、議案第134号一般会計補正予算案、議案第140号福岡市科学館条例案について、議案第141号福岡北九州高速道路公社の道路整備に関する基本計画の変更に係る定款の変更についての認可申請について、反対討論を行います。

 

議案第140号福岡市科学館条例案では、六本松九大教養部跡地に建設されるJRの建築物に賃貸し設置される科学館の設置目的、運営及び管理等に関して定める条例案です。この条例案によれば、科学館の展示施設およびプラネタリウムの設置、企画運営及び施設の維持管理は一括して指定管理者に委ねるとしており、PFI方式にするということです。議案第134号一般会計補正予算案には福岡市科学館条例案に定められた指定管理者としてのPFIの特別目的会社に対する15年間の委託料103億円余の債務負担行為が含まれています。

PFI方式は特別目的会社(SPC)をつくり利益率を確定して資金を集め事業を行います。そのために利益を確保しなければなりません。また、資金調達は自治体が調達する金利に比べ金利が高くなると言われています。競争入札で安く落札すればするほど、確実に利益を出すためには経費の削減が行われます。この様なPFIの問題は、第1点はPFI方式が本当に安いのか、第2点は事業の質が維持できるのか、第3点に事業の継続性です。地域、学校、高校、大学との連携など、要求水準を達成するには多くの専門家が必要と考えるが、どのような事業体を想定しているのか。また事業継続についてはどのように担保されるのかが問題です。

質疑で明らかになったように、PFIでは企業のノウハウとして総額が示されても展示の設置費用、企画運営の費用、維持管理などの個別の費用は示されません。そのために、公共施設であるにも拘わらず他施設との比較はできす本当に効率的な事業なのかは議会で検証することはできません。これは議会を軽視することで認められません。

次に、科学館としての質の確保できるかという点です。委託費は債務負担行為として15年間と長く、企画や運営が陳腐化しかねません。また利益確保のために経費削減として再委託が行われ、学術的専門性が求められる科学館としての質を維持できるのか疑問です。質疑ではモニタリングを行い、問題があればサービス購入費の減額などのペナルティを課すとしていますが、この様なことで科学館としての質を維持できるか疑問です。条例案では問題があった場合契約を解除できますが、PFIは15年の長期の債務負担行為でもって利益を確保する構造であるため事実上契約解除は困難と思われ、質の確保でも疑問が残ります。また、要求水準書ではボランティアの育成と活用を求めていますが、小中学校等との連携事業も計画されており、安易な活用は質の低下や事業継続ができるのか危惧されます。

この様なことを総合的に考えればPFIには様々な問題があり、むしろ直営で行い、維持管理などの必要な部分を委託した方が安上がりで、市民に責任もったサービス提供ができます。この際、PFIを運営主体とする条例案は変更し、福岡市直営で事業をすべきです。以上の理由から議案第134号および140号について反対します。

 

次に、議案第141号福岡北九州高速道路公社の道路整備に関する基本計画の変更に係る定款の変更についての認可申請について反対の理由を述べます。

議案第141号は都市高速道路と人工島を結ぶ2.5キロ、事業費250億円の接続道路・福岡北九州都市高速道路6号線を建設するための定款変更の承認を議会に求めるものです。定款変更の是非を判断するためには、この事業の必要性、経費対効果について検討されなければなりません。議案質疑では、国土交通省のマニュアルによる費用便益を計算で費用便益があるとしています。これ自体もはなはだいかがわしさを感じますが、問題は本来高速道路の事業として料金で建設費を償還すべきところが、高速道路使用料金では償還できる見込みはなく、福岡市が多額の負担をすることになると言うことです。都市高速道路からの人工島への出口は2箇所になり、その間隔は数百メートルしかなく、都市高速道路6号線路を建設することで利用車両がそれほど増えると考えられず、市の答弁のように新たに15年後に新たな利用車両が3千台増えたとしても建設費を償還することは不可能です。このことは未だに財源の負担区分が明確にされないことに現れており、福岡市が多くの負担をすることを示唆しています。

国・地方の長期債務は2014年度末で1035兆円、福岡市も2兆4千億円余の借金があります。人口減少を迎え日本経済は必然的に縮小し、税収増は見込めず、高齢化による医療・介護の歳出増、公共施設やインフラの老朽化による保守管理が大きな課題となっています。公共施設整備については将来の需要や必要性を厳しく精査し、投資しなければなりません。福岡市は人口が増えていると入っても高齢化が進み生産人口は減少し始めており都市高速道路6号線がなければならない状況とは考えられません。医療費や福祉の市民負担が増え続ける状況において、財政運営は市民生活優先にすべきです。わずか7分の時間短縮の効果しかない必要性に乏しい人工島への接続道路建設に福岡市は多額な投資をすべきでなく、この議案に反対します。

 

議案第142号ないし147号、150号ないし155号はいずれも賃金水準及び物価水準の上昇に伴う工事請負契約の一部変更の議決を議会に求める議案です。この議案には反対しませんが意見を申し述べます。

国土交通省は2013年5月に設計労務単価を引き上げ、建設業界団体に技能労働者に法定福利費の支払および社会保険に加入できる適正賃金の引き上げを求めました。しかし、建設労働者への適正な賃金の支払いがなされていない実態があり、国土交通省は重ねて関係業界団体に建設労働者へ適正な賃金の支払を求める通知を出すとともに、都道府県、政令市にも指導を求めています。末端の建設労働者まで適正な賃金を支払うことは、若年建設労働者の就労促進と建設労働者の技術の継承に必要であり、また地域の経済活性化にも必要です。今回の工事契約変更については、末端の建設労働者まで適正な賃金の支払いがなされなければ契約改訂の正当性はありません。質疑では福岡市は契約事業者に通知はしても末端労働者まで適正な賃金が支払われていることは確認していません。指導だけではなく法的根拠を持たせる必要があります。今回の契約変更事案については末端労働者まで適正な賃金が支払われることを確認することを求めると共に、適正な賃金支払を徹底するために早期に公契約条例を制定すること求めます。

 

次に議案第149号新青果市場市場会館棟衛生設備請負工事契約の一部変更について意見を述べます。この議案は入札後の設計変更であり疑念を生じさせるものです。入札時点で技術提案項目にアセットマネージメントの視点が組み込まれていれば入札後の契約変更をすることもなく、よりよい提案も出された可能性があると考えます。総合評価項目にアセットマネージメントの考え方を市全体として徹底して取り入れるよう要望します。

 

以上で討論を終わります。

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議会基本条例制定などを求めて議長へ申し入れしました。

150625議長申し入れ(完成版)

緑と市民ネットワークの会では6月25日に議長に対して以下の内容を申し入れしました。

1、議会改革について

・議会基本条例を制定すること
・公聴会など市民の意見が反映できる仕組みを作ること
・常任委員会の審議については採決も含めすべて公開すること
・陳情については趣旨が請願と同等なものは請願と同様に議会で審査すること
・請願については原則採決すること
・定例議会後には区毎の議会報告会を議会として開催すること

2、福岡市の財政運営に関する議会の責任として議員報酬を削減すること

3、地方自治法に規定されている総合区および区地域協議会を設置すること

4、住民投票条例を制定すること

5、福岡市が設置する諮問機関については必ず公募市民を選出すること

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荒木議員の一般質問:セントラルパーク構想/戦争法/アスベスト対策について

150625荒木議員一般質問

※2015年6月25日(木)に行った荒木龍昇議員による一般質問の原稿です。実際の発言とは多少異なりますので、ご了承ください。

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私は緑と市民ネットワークの会を代表してセントラルパーク構想について、集団的自衛権・戦争法について、再生砕石に混入しているアスベスト対策について質問します。

 

1、セントラルパーク構想について

(1)舞鶴公園・大濠公園地区は150万市民の街の中心にある貴重なオープンスペースです。セントラルパークと称されるこの地区は福岡市新・緑の基本計画では福岡市の緑地の骨格として緑の腕に位置づけられています。セントラルパーク構想では緑地、歴史、芸術文化、観光の視点から検討されていますが、生物多様性ふくおか戦略を踏まえ構想をどう組み立てるのか所見を求めます。

(2)生物多様性ふくおか戦略は、多様性の保全と持続的利用を実現するとして、生物多様性の保全と文化的サービスのポテンシャルは高いとして本市の成長の牽引役と位置づけており、多様な主体や地域との連携を図るとしています。そこで、舞鶴公園・大濠公園地区ではどのような主体と連携しているのかお尋ねします。

(3)整備するに当たっては、このエリアのポテンシャルを把握する必要があります。舞鶴公園・大濠公園地区での生態系調査はいつどのようになされ、その調査結果を構想にどう反映させるのかお尋ねします。

(4)セントラルパーク構想の策定にあたり実施されたパブリック・コメントでは、多様性の保全についてどのような意見が出されているのか説明を求めます。

(5)観光誘致の施設としての整備ではなく、市民の多様な声を生かし歴史的景観と調和する緑地として保全することが、より住みやすい、魅力にあふれる福岡市になり、結果として国内外の人が訪れるようになると考えますが市長の所見を求めます。

 <荒木のコメント>

 歴史と自然を守る会が発行している「ふるさとの自然と歴史」によると、黒田長政が福岡城を築城するときに松や杉を植えることで石垣と共に二重の障壁にするなど、軍用・薬用の樹木・草花を植えたとしています。また、早良郡田島村からクスノキ、入部、脇山、有田村から萩・ススキを移植、三の丸にはカラタチの生け垣もあったとしています。この様に歴史的に多様な植生が形作られてきました。しかし、セントラルパーク構想が打ち出され、十分な調査がなされないまま既にエノキやメタセコイア、植え込みなどの木々が次々と切られています。植生が画一ではなく多様性があり、多様な虫や鳥たちがすみ、またジョウビタキなど木の実を求めて渡り鳥もやってきていましたが、いまやその鳥たちの姿も見れなくなりました。生物多様性ふくおか戦略を策定した福岡市の政策がこの現実としたら将来が危惧されます。まだ貴重なハガキノキといわれるタラヨウの大木などがあり、樹木の伐採は生物多様性を維持できるよう慎重にすべきです。ここには国の天然記念物に指定される資格があると言われるツクシオオツリガヤ、またアカウキクサ、タイトゴメなどの貴重な植物があり、生態系調査の上、様々な市民の声を生かして多様な植生が維持できる良好な緑地空間として整備するよう要望してこの質問を終わります。

 

2、集団的自衛権・戦争法について

(1)昨年7月1日安倍政権は集団的自衛権が行使できるよう閣議決定をし、引き続き今年4月27日に日米ガイドラインが改定されました。日米ガイドラインは集団的自衛権行使を前提としており、集団的自衛権行使ができるようにするために安保法制、いわゆる戦争法が国会に上程されています。戦争法が国会を通過すれば自衛隊はアメリカ軍と一体化し、地球の裏まで出かけ武力行使をすることになります。そこで、地方自治の本旨である「住民の福祉の増進」という点から今国会に自民党・公明党政権が上程している安保法制・いわゆる戦争法案について市長の所見を求めます。

(2)戦争法では戦闘がない場所での兵站部門を担うとしていますが、兵站部は武力行使と一体のものであり、戦闘行為そのものです。また、兵站部は敵対国からの攻撃目標になり、そこでは戦闘行為が始まります。ホルムズ海峡での機雷掃海も戦闘行為そのものです。この戦争法ついては、国会において与野党が招致した憲法学者3人全員が安保法制=戦争法は憲法違反と明言していることについて市長の所見を求めます。

(3)三重県松坂市の山中市長は昨年7月1日安倍内閣が集団的自衛権行使のための閣議決定した時に「地方自治体として子どもたちを戦場には送れない」と閣議決定に反対する声明を出しています。戦争法が可決すれば自衛隊員の募集に協力することは子どもたちを戦場へ送ることになります。自衛隊員の募集の協力について、福岡市はやめるべきと考えますが自治体の長である市長の所見を求めます。

(4)憲法第98条及び99条にはどのように書いていますか。

(5)地方自治法第2条16項及び17項はどのように書かれていますか。

●憲法第九十八条  この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

●憲法第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

●地方自治法第2条16項  地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。17項  前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。

(6)圧倒的多数の憲法学者は戦争法は違憲としており、また、元内閣法制局長官達も戦争法は違憲と言っています。健保に書かれてあるように違憲である戦争法は無効であり、また地方自治法に書かれてあるように自治体として受け入れるべきではありません。違憲な戦争法は地方自治体として拒否し、法定受託事務としての自衛官募集の協力はやめるべきで、異議申し立てすべきと考えますが、再度市長の所見を求めます。

(7)武力行使によって平和は実現できると考えているのか市長の所見を求めます。

<荒木のコメント> 

 戦争法は日米ガイドライン改定を実行するためのものであり、自衛隊がアメリカ軍と一体化し、アメリカ軍の指揮の下、アメリカの世界戦略に則り国際紛争に積極的に武力介入するものです。

憲法の前文には「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」書かれてあり、第9条で武力を放棄しています。市長は憲法を遵守する義務があり、住民の福祉の増進を図る責務がある地方自治体の長として戦争法に反対すべきです。戦争法は国の専管事項というのは許されません。

 

3、再生砕石に混入しているアスベスト対策について

(1)建設リサイクル法が2002年に完全施行され、2008年の国交省の調査によると98%の建設材がリサイクルされており、建物の解体廃材を細かく破砕した「再生砕石」が至る所で使用されています。 ところが、2010年にさいたま市において敷地に敷かれた再生砕石から、本来含まれるはずのないアスベストを含むスレート建材片が発見されたことが新聞報道されました。 これを受けて同年国交省、環境省、厚労省三省合同で建設物等の解体工事などを行う業界関係団体宛てに再生砕石にアスベストを含む建材の混入防止に関する通知が出されておりますが、福岡市における当時の対応状況についてお尋ねします。

(2)当時は福岡市において問題なかったとのことですが、さらに環境省からは、産業廃棄物を排出・処理する関係者事業者への周知、解体工事現場等のパトロール、必要に応じた立入検査を求める通知が出されました。福岡市の実施状況について、過去3年間の実績を求めます。また、再生砕石を扱う産業廃棄物処理業者の調査についてもお尋ねします。

(3)再生砕石を扱う産業廃棄物処理業者については福岡市の調査において確認されているようですが、具体的に再生砕石にアスベストを含む建材が混入していないかの確認はどのように実施されているのでしょうか。

(4)では、再生砕石処理業従事者の健康を守るために、アスベストの飛散状況の検査が実施されているのかお尋ねします。

(5)最後に、市内には6つの再生砕石を扱う産業廃棄物処理業者があるとのことですが、仮に市内の処理業者からアスベストを含む建材が混入した再生砕石が出荷されていなくても他地域から市内の工事現場への搬入もありえるため、アスベストの飛散について調査を行うべきと考えますが、所見を求めます。

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森議員の一般質問:不登校と読書環境の充実について

150624森あや子議員一般質問1

※森あや子議員による一般質問の原稿です。実際の発言とは多少異なりますので、ご了承ください。

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●1問目

おはようございます。「緑と市民ネットワークの会」森あや子でございます。今回は、不登校と読書環境の充実について質問をいたします。

現代社会は、少子高齢化が進み人口減少が深刻な課題となっています。核家族化、人間関係の希薄さなど、生活をする中で不安に感じることがたくさんあります。子ども達を取り巻く状況は、遊び場の減少や引きこもり問題等々、そして虐待やいじめなどの悲しい事件は後を絶ちません。また、病弱だったり、障がいがあったりするなど一人ひとりが抱える課題も増えていて、さらに経済格差も広がり、本市でも就学援助を受けている子どもは4人に1人となっています。このような現代社会の中で、子ども達は生き難さを感じています。

私の次男は食物アレルギーお弁当持参、喘息で入院等もしてしまい、小学4年生から中学3年生まで不登校を経験しております。不登校そのものや不登校から発生する様々な課題は、決して我が家だけの問題ではありません。悩み、苦悩を抱える本人や家族は今や相当数に上っています。友達と思いっきり遊び学び、経験を積み重ねる大切な時期の義務教育という間を、まだ人生経験の浅い子ども達が苦しい思いを胸に抱えて過ごしているのです。

そこで、まず不登校についてお伺いします。本市の不登校児童生徒の現状を、過去3年の小学校、中学校別でお示しください。更に、本市の不登校児童生徒数の出し方をお示しください。

次に、読書環境の充実についてお伺いします。

私は、以前本市で開講されていた子育て支援ボランティア養成講座を受講し、子ども達がもっといきいきと過ごせる環境を準備したいと強く思いました。そして、校区の小学校では、先生や保護者の協力のもとに、読み聞かせボランティアを立ち上げました。子ども達がホッとできる居場所や時間がもてるよう、そして子ども達がより情緒豊かに育って欲しいとの思いで、朝や昼休みの読み聞かせ、季節に合わせた遊びの活動、また授業の中でも様々な企画を取り入れていただくなど、子ども達の読書推進への支援活動を実践してまいりました。その経験から、読み聞かせや読書の素晴らしい魅力などを実感しています。本市の小・中学校でも、読み聞かせ活動が活発に行われているところはたくさんあります。

しかし、子ども達の教育を保障する図書館機能としての整備は、本市ではまだまだ足りていないところがたくさんあると感じます。

そこで、学校図書館の読書環境についてのお尋ねです。子ども達の一番身近にある学校図書館は、一人ひとりの子どもの豊かな育ちと学びを支援する教育の場です。読書環境の充実は、先に質問した不登校で苦しむ児童生徒を生み出さない、深刻化させないといった課題解決にもつながることだと思います。

今年度4月1日から学校図書館法の一部改訂されたものが施行されています。法文には学校司書の職名とともに配置の努力義務が記されています。また、2012年度予算で閣議決定された「学校図書館整備5か年計画」では、全国全ての小・中学校と特別支援学校に新聞1紙を置く費用が盛り込まれるなど、蔵書を新たに購入する費用などに年200億円が計上される他、図書室の業務を専門とする司書を新たに小・中学校に置く費用150億円が計上されています。

福岡県公共図書館協議会の調査では、平成24年度資料費に対する一人当たりの予算額が、本市は政令市の中で下から3番目のたったの69円です。ちなみに北九州市は151円です。特に子ども達への教育はどこに住んでいてもしっかりと支えられることが重要です。

そこで、まず読書の大切さについてのご所見をお示しいただき、本市においての学校図書館に関わる人員配置や働き方などをお示しください。

以上で、2問目以降は自席にて行います。

 

●2問目

不登校児童生徒数の表わし方で、子ども達の実態が見えなくなっています。例えば毎日5分でも学校に行けば登校したことになります。また、家庭の事情で出席できないものや欠席理由が2つ以上で主たる理由が特定できないものは不登校として元々数には足されてはいません。卒業しても困難な状況にいる子ども達も少なくありません。不登校の人数が減ったと見えても、一人ひとりへの大切な学習保障や心のケアは行き届いていないのが現状です。様々な状況にある全ての子どもに対し、社会全体で援助するために、学校内外の連携を図り相談体制の充実や学習の遅れなどを取り戻す機会とその方法にも柔軟さがある対応が、普段から求められます。不登校で悩む児童生徒が生まれない教育現場になるよう、教職員の研修や様々な専門知識を持った人材を増員するなど、まだ取り組まなければならないことがたくさんあると考えます。

そこで、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、不登校対応教員のそれぞれについての配置や働き方などお示しいただき、本市の取り組み内容についてお尋ねいたします。

次に、読書は、国としてもその効果や重要さ、子どもたちの育ちや学びを支えるものとして必要性があるからこその法的整備や費用計上です。小・中学校の数が、本市は200校を超えている中、その要となる学校司書の配置や時間数が、これでは全然足らない状況です。司書教諭もクラス担任をしていれば学校全体の読書環境の充実には、なかなか手が行き届きません。そして、もう一つの課題として公共図書館との連携があります。

先進的な岡山市の読書環境への取り組みは、学校司書が全校に配置され、学校図書館が常に開かれた場所になっています。市立図書館との連携も図られ、クラスの子どもの人数分の本を揃えることが容易にできます。また、社会科や理科、保健体育やこれから重要になってくる道徳、生活科などの授業では、学校司書と教師の連携で、子ども達の学年や興味にマッチした教材としての本を選ぶなど、子どもの興味を引き出し、調べ学習の手助けになっています。学校司書がいることで地域ボランティアとの連携も図れます。

岡山市のように、未来を担う子ども達を社会の大切な宝としてすこやかに育むために、学校図書館には専門家である学校司書がいつもいることが重要です。

教育環境整備としての図書館機能の充実を強く望みます。そこで、司書教諭と学校司書の連携、公共図書館と学校図書館との連携を本市の現状についてお尋ねします。

以上で2問目を終わります。

150624森あや子議員一派質問2

●3問目

スクールカウンセラー67人の相談件数は毎年約25000人です。本市の全児童生徒は約11万人強の中、やはりスクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも学校司書も足りないばかりか、一人が抱える仕事の質も量も過酷です。今を生きる子ども達の現状がこの体制ではとても厳しいと思っています。

人は国の財産であり、教育は人材を育成する国としての仕事です。教育の成果は、個人だけでなく、社会を豊かにします。人口減少が進んでいく中で、何よりも人を大切にしていかなければならないと考えます。個人の財力資力には左右されず、経済的理由で学ぶ機会や意欲を失わないよう、しっかりと社会で支える仕組みをつくっていく必要があります。教育の現場は火の車です。素晴らしい理想や理念が絵に描いた餅にならないように、専門的人員の更なる増員を強く要望いたします。

読書環境の充実は教育の現場を、子どもにとっても教職員にとってもより豊かにし、人権意識、自立心、協調性、創造力の向上にもつながり、正に生きる力が育っていくのだと思います。本の持つ力、その本の専門家である司書の力を十分に活かすことは、さらに子どもたちの健全育成に豊かな状況をもたらすことと考えますが、子ども達がおかれている現状とその解決に向けての方策をどのようにお考えになられていらっしゃるのかを教育長に、そして冒頭に述べたような厳しい社会状況の中で、子ども達が未来を担う素晴らしい人材となるための環境づくりは社会全体の責任です。福岡市の今後の発展のためにも、市全体としてしっかり育み見守って欲しいと願い、本市のトップである高島市長にご所件をお伺いして、私の質問を終わります。

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