月別アーカイブ: 2015年9月

9月議会:主な議案への賛否と主張

●マイナンバーについて(議案第198号ほか) → 反対しました。

Q. マイナンバーによって便利になるのでは?

A. 行政事務の効率化のためとされていますが、市民にとってのメリットは低く、むしろリスクが増えます。何より一元化したナンバーで個人の情報を管理することによる、監視社会への危惧、人権侵害の恐れがあります。

Q.市民にとってはリスクの方が高くなるのでしょうか?

A. 国は法改正してメリット(サービス)を増やすとしていますが、利用が民間に拡大すると、リスクもさらに高まります。韓国やアメリカではなりすましによる被害が多額に上っており、海外ではマイナンバー制度は見直しの動きもあります。

→ 市民の理解も進んでおらず、民間企業の準備も進んでいない中で、急いでシステムをつくる必要はありません。

 

●市立幼稚園の全廃について(議案第213号) → 反対しました。

Q. 財政難だし、子どもも減っているので仕方ないのでは?

A. 市の幼児教育に対する姿勢に問題があります。これまで市立幼稚園は障がい児の受入れ、幼小連携、幼児教育の実践などの役割を担ってきました。京都市や神戸市などでは幼児教育の実践・研究の場として市立幼稚園を維持しています。

→ 7万2千筆という反対署名もあり、当事者だけの問題でないことを物語っています。将来を担う子どもたちの成長こそが都市の成長であり、教育の質が問われています。廃園する園には人口減少が課題となっている地域の園もあり、子育て世代の定住化政策としても市立幼稚園を存続すべきと訴えました。

 

●市街化調整区域の開発について(議案第210号) → 賛成しました

Q. 市街化調整区域とは?

A. 良好な環境を保全するため原則として開発行為を行わない区域のことで、東区志賀島や早良区南部などが該当し、人口減少が課題となっています。そこで当該区域の開発についての条例が改正されました。

Q. 地域コミュニティの活性化、定住促進などが目的ですか?

A. そうです。そのためにはまず地域住民の合意が必要です。また、過度な基準緩和はスプロール化(開発の虫食い状態)などを引き起すので気をつけなければなりません。

→ さらに子育て環境の整備、コミュニティバスなど移動の確保、空き家バンクなど住み替えの仕組み、農林漁業や6次産業化支援などの就労対策など総合施策の必要性を訴えました。

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9月議会:地方自治体とは何か? 「戦争展」後援拒否と原発再稼働(荒木龍昇議員)

地方自治体は住民自らの意思に基づいて自主的に処理し(住民自治)、国から独立した立場で事務を処理するものです(団体自治)。地方自治体は公序良俗に反しない限り、住民の主体的活動を支援する責務があります。今回の「戦争展」後援拒否は、表現の自由や思想信条の自由を否定し、地方自治の民主的な発達を否定するものです。

一方、原発再稼働について髙島市長は「国が責任を持って判断すべきもの」と答弁しましたが、大間原発建設差し止め訴訟を起こしている函館市を見ならい、玄海原発から37km~60km圏内の福岡市としても、市民の生命と生活の安全を守るために玄海原発再稼働を止めるべきと主張しました。

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9月議会:障がい者や子どもを取り巻く環境の充実を(森あや子議員)

誰しも突然の病気やけがなどで生活が一変してしまう可能性があります。これからの人口減少社会において、教育、児童福祉、障がい福祉、高齢者福祉、医療、労働機関などさまざまな機関が連携し、変動する社会に対応できるように、包括的に支援できるシステムを充実させていかなければなりません。

ホームページを利用するなどして、支援制度、また支援申請などの手続きを、一連の流れに沿って分かりやすく紹介する工夫するよう要望しました。

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明日から9月議会がスタート! 10日(木)、14日(月)、15日(火)に発言予定

明日から9月議会が始まります。10日(木)~18日(金)の9日間です(詳細はこちら)。

初日10日(木)は「議案質疑」。市長から提案されている議案について質問をします。森あや子議員が市立幼稚園の廃園に関する議案、荒木龍昇議員がそれ以外の議案について質問をします。どちらも午後になる見通しです。(誤って森議員が11日(金)でお知らせしている方もいるそうですが、10日(木)が正しいです。)

2日目11日(金)~15日(火)は「一般質問」。こちらは市政全般について自由に質問ができます。森議員は14日(月)のおそらく午前中、荒木議員は15日(火)の午後になる見通しです。森議員は「障がい者と子どもを取り巻く環境の充実について」、荒木議員は「戦争展の名義後援拒否について」「原発再稼働の動きと福岡市原子力防災計画について」質問します。

ぜひ傍聴にお越しください。傍聴の仕方は市議会ホームページからご確認いただけます。

また、請願の締切は、1回目(議案関連、意見書・決議関係)が14日(月)17時まで、2回目(その他)が17日(木)17時までとなっています。ご注意ください。

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150903議案書re 

9月議会と10月に行われる決算特別委員会に関する議案などの資料です。目を通さないといけない資料が山積みですが、議会が始まる1週間前しか配布してもらえません。

150904議案検討会01

※荒木議員主催の「議案検討会」の様子。9月4日(金)にももちパレスで開催し、市民の皆さんからいろいろご意見をいただきました。

150909発言通告書re

※森議員の発言通告書。事前に議長宛に提出します。

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再生砕石のアスベスト含有分析の結果について

再生砕石のアスベスト含有分析の結果について

市民の方からの情報提供があり、私は6月議会の中で「再生砕石(リサイクルされた建築資材を使った砕石(砂利))に混入しているアスベスト対策」について一般質問を行いました。

この質問は2010年にさいたま市で再生砕石から本来含まれるはずのないアスベストを含むスレート建材片が発見されたのを受けて、国交省、環境省、厚労省の3省は業界団体宛てに再生砕石にアスベストを含む建材の混入防止に関する通知を出したのですが、その後の福岡市の実態や対応状況を問うたものです。

このとき星子環境局長は「アスベストを含む建材が再生砕石に混入している事例はありませんでした」「再生砕石の処理業者に対しても、受け入れの都度、処理業者みずから確認するよう指導しております」と答弁をされました。また、福岡市としては「立ち入り検査のときに混入状況の確認は“目視”で行っている」、「飛散状況の検査はしていない」とのことでした。

しかし私自身、福岡市内の実態を調べるべく、7月に市内3か所の再生砕石を採取し、8月に民間検査機関に検査を依頼したところ、別紙のとおり、3か所のうち2か所でアスベストが含有されているという結果を得ました。今回は定性的な分析(検出限界値0.1%未満か超かの分析)だけを依頼し、定量的な検査は行いませんでしたので、実際の含有率は分かりません。また、その再生砕石がいつ搬入されたのかもはっきりしないので、国の通知よりも前なのか後なのか定かではありませんが、少なくとも現在の福岡市の対応方法ではこのアスベストが混入していたという事実を把握できていないことが明らかとなりました。現時点で即「危険」ということは言えませんが、住民の暮らしの安全を守るためにも実態の把握を急ぐよう、昨日、市環境局に対して要請いたしました。

市民の皆さまにおかれましても今後の市の対応を注視していただきたく、ここに発表させていただきます。

2015年9月9日

福岡市議会議員 荒木龍昇(緑と市民ネットワークの会)

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【参考資料】

分析結果報告書(PDFデータ) ※政務活動費を使って民間の分析会社に依頼しまました。

6月議会の議事録(PDFデータ) ※アスベストについて質問した部分

福岡市アスベスト対策推進プラン(外部リンク)

●再生砕石の採取現場の写真(2015年7月31日撮影、福岡市内)

 150731再生砕石採取現場

アスベストセンター|再生砕石のアスベスト混入問題(外部リンク)

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